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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻12号

2002年11月発行

文献概要

特集 眼窩腫瘍

眼窩腫瘍の疫学

著者: 大西克尚1

所属機関: 1和歌山県立医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1644 - P.1647

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はじめに
 眼窩腫瘍の頻度は高くはないが,眼球突出,眼球偏位,複視,眼瞼下垂などを主訴として来院する患者はそれほど少なくはないので,鑑別疾患として眼窩腫瘍は常に念頭におく必要がある。その種類,頻度などを知っておくと診断に役立つ。また,眼窩腫瘍のなかには生命予後が悪い疾患もあり,早期に診断しなければならない。
 眼窩腫瘍が眼科で取り扱う腫瘍のなかでどの程度の頻度であるかは興味深い。米国の陸軍病理研究所(AFIP)の3,648例の眼部腫瘍のなかで眼窩腫瘍は396例(11%)であるが,これには涙腺腫瘍や視神経腫瘍は含まれていない(表1)。涙腺腫瘍53例,視神経腫瘍34例を含めると眼窩腫瘍の割合は眼部腫瘍のなかで13%になる1)。腫瘍の発生には地域差,人種差があるので,今回はわが国の報告で,1980年から2002年までのうち,調査期間が10年以上で病理組織診断が行われているものについて検討を加えた(表2)2〜13)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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