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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻12号

2002年11月発行

文献概要

連載 眼科手術のテクニック・153

ライトガイドを用いない白内障手術中の落下水晶体皮質および核片の除去法

著者: 門之園一明1

所属機関: 1横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター眼科

ページ範囲:P.1696 - P.1697

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はじめに
 白内障手術中の破嚢時に生じる合併症の1つに水晶体皮質および核の落下がある。皮質には抗原性があり,水晶体起因性ぶどう膜炎の原因となる。保存的治療の場合は,強い炎症を伴い高眼圧となることがあり,術後の消炎に苦労することが多い。また,飛紋症の原因ともなる。このため,残留水晶体皮質は放置せず,手術中にできるだけ除去することが望ましい。水晶体皮質および小核片の落下は,核落下と異なり,硝子体手術装置や液体パーフルオロカーボンを用いる必要がなく,前部硝子体カッターのみで除去が可能である。
 眼底を詳細に観察するには,通常,眼内照明(ライトガイド)が必要である。顕微鏡からの照明では,眼底観察のための入光量が少ないこと,すなわち反射光が多いため,眼底観察には不適であった。しかし,硝子体観察用多層膜コートレンズ(マルチコートレンズ)を用いると,眼底の観察が顕微鏡照明のみで可能となる。顕微鏡照明光の内部透過率が99%に上昇するからである。今回は,白内障手術装置に装備している前部硝子体カッターを用いた,二手法による水晶体皮質の除去にマルチコートレンズを用いた手術手技を紹介する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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