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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻12号

2002年11月発行

文献概要

臨床報告

新しいレーザードプラ装置による網膜血流の測定信頼度

著者: 北西久仁子1 張野正誉2

所属機関: 1泉大津市立病院眼科 2淀川キリスト教病院眼科

ページ範囲:P.1707 - P.1711

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 新しく開発されたレーザードプラ血流計(CLBF100,キヤノン)で健常者11名と糖尿病患者7名の血流速度を測定し,その信頼性を検討した。健常者6名(A群)では約30分の時間をかけて厳密に3回測定し,他の5名(B群)では測定時間を15分以内に短縮して3回測定し,網膜血管径,血流速度,血流量の変動係数を動静脈それぞれについて求め検討した。B群で動脈血流速度の変動係数が有意に小さく,他の要因には両群問に有意差がなかった。糖尿病患者群では,動脈血流速度,静脈血流速度,静脈血流量の変動係数がB群よりも有意に大きかった。網膜動静脈の血流量の変動係数の範囲は健常者では10〜14%,糖尿病患者では20〜23%にあった。この測定法は変化の小さな測定値を比較することには限界はあるが,臨床的な応用の可能性があると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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