icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻12号

2002年11月発行

文献概要

臨床報告

粘弾性物質注入に起因した術後眼内異物の1例

著者: 渡辺牧夫1 高見淳也1 上野脩幸1

所属機関: 1高知医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1719 - P.1721

文献購入ページに移動
 84歳女性の両眼に白内障手術を行った。右眼手術には問題がなかった。左眼手術のときに前房に粘弾性物質を注入した際に無数の微細粒子が混入し,術後3日目には眼内レンズと後嚢の間隙に直径0.4mmの白色異物になった。この眼内異物の原因は,粘弾性物質の滅菌容器に潤滑剤として使われているシリコーンオイルであると判断された。術後の視力と静的視野に左右の差がないため,眼内異物はそのまま放置し,以後3か月間に問題は生じていない。このような眼内異物は今後も続発する可能性があり,白内障手術での新しい合併症として注意が望まれる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?