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連載 眼の遺伝病・40
FSCN2遺伝子異常とは?
著者: 和田裕子1 玉井信1
所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1754 - P.1755
文献購入ページに移動 現在までに常染色体優性網膜色素変性の候補遺伝子は,われわれが報告したFSCN2遺伝子を含め,CRX, HPRP3, IMPDH1, NRL, PRPC8,PRPF31, RDS, RHO, ROM1, RP1,の11種類が報告されている。特にロドプシン遺伝子異常は欧米諸国では,常染色体優性網膜色素変性の20〜30%に認められ,その中でもPro23His変異が高頻度変異である。しかしながら,この結果は日本人の常染色体優性網膜色素変性の頻度とは大きく違い,日本で報告されたロドプシン遺伝子変異はGly106Arg, Asn15Ser, Glu181Lys, Thr17Met,Pro347Leu変異で,頻度は欧米諸国に比べてかなり低い。このように原因遺伝子異常に人種差があることに着目し,海外では原因遺伝子と報告されていないFSCN2遺伝子を用いてスクリーニングを開始し,208delG変異を確認した。
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