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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻13号

2002年12月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

縫合が可能であった高齢者の外傷性下直筋断裂

著者: 山尾信吾1 菅澤淳1 辻村総太1 清水一弘1 池田恒彦1

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1767 - P.1771

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 80歳女性が作業中にS字型の針金性フックで左眼を突き,即日来院した。左眼結膜は輪部下方で180°にわたって断裂し,左眼に高度の下転障害があり,上斜位を呈していた。ただちに手術を施行したが,下直筋の中枢側が発見できず,結膜縫合のみを行った。2日後の再手術でテノン嚢内の深部に下直筋の断端を発見し,末梢側の断端と3針縫合した。9日後に眼球運動障害は中等度に回復し,6週後には下方視での複視がほぼ消失した。外傷性外眼筋断裂では,断裂した筋の中枢側の断端を発見することが通常は困難である。本症例では,下直筋の中枢側の断端がLockwood靭帯のために後退しなかったことが,その発見と再縫合を可能にしたと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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