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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻13号

2002年12月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

中心窩網膜剥離を合併した若年性網膜分離症の治療経験

著者: 池田史子1 吉田三紀1 岸章治1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1773 - P.1780

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 黄斑網膜剥離が併発した若年性網膜分離症2例4眼に,硝子体腔へのガス注入を単独,または硝子体手術と併用して行った。1例は34歳女性で両眼に−7.5Dの近視があった。初診時の矯正視力は右0.5,左1.0であり,10年後に右0.1,左0.5になった。光干渉断層計(OCT)で,両眼の中心窩に網膜分離と黄斑網膜剥離が経過中に証明された。初診から11年後に,右眼にSF6ガスを注入した。6日後に視力は0.5に向上し,黄斑部の網膜分離は消失し,網膜剥離はほとんどなくなった。それまで中心窩に付着していた硝子体皮質は剥離した。左眼にはSF6ガスを2回注入した。黄斑部の網膜剥離は消失したが,中心窩の網膜内層が硝子体皮質とともに剥離し,分層円孔を経て全層円孔になった。視力は0.9に向上した。他の1例は26歳男性で,両眼に−3.5Dの近視があり,矯正視力は右0.3,左0.9であった。右眼に硝子体切除を行い30%SF6ガスで硝子体を置換した。視力は0.9に向上したが,黄斑萎縮が進み0.1になった。左眼は初診から7年後に網膜剥離が黄斑部に生じ,視力が0.5に低下した。右眼と同様な手術を行い,網膜剥離と分離はともに改善し,視力が0.8に向上した。両症例とも,中心窩の網膜分離と黄斑部の網膜剥離の発症に後部硝子体皮質の牽引が関与していることが推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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