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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻13号

2002年12月発行

文献概要

臨床報告

黄斑部網膜前出血をきたした網膜色素線条症の1例

著者: 土屋忠之1 福田紹平1 西村栄一1 貴嶋孝至2 稲富誠2

所属機関: 1富士吉田市立病院眼科 2昭利大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1781 - P.1785

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 25歳男性が右眼視力障害を自覚し,その8日後に受診した。矯正視力は右0.15,左1.0であった。両眼の視神経乳頭周囲に網膜色素線条があり,右眼黄斑部に2.5乳頭径大の網膜前出血があった。3日後に出血の境界面にヤグレーザーを照射し,その後2回の追加を行った。初回照射から3週間後に網膜前出血はすべて消失し,1か月後に矯正視力が0.8に回復した。初診から2か月後に軽度の硝子体出血と網膜前出血が再発したが,11日後に視力は1.0に回復し,6週問後に網膜前出血はすべて消失した。以後1年以上経過した現在まで出血は起きていない。網膜色素線条に合併した網膜前出血に,ヤグレーザーによる後部硝子体膜と内境界膜切開が安全かつ有効であった1例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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