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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻2号

2002年02月発行

文献概要

連載 他科との連携

他科とのよりよい連携とは?

著者: 太刀川貴子1

所属機関: 1東京女子医科大学附属第二病院眼科

ページ範囲:P.165 - P.166

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悪性腫瘍の治療の進歩により,患者さんへのムンテラも以前より告知が増え,患者さんご本人に直接病状および治療の説明をし,その選択に関して同意を求め治療を進めていくことが増えてきたように思います。既往歴をお尋ねすると,「私は○○癌で手術をしたことがあります」とか,ともすると,「癌で転移して治療中です」と,さらりとご返答いただいて,いったいこの患者さんはどういうムンテラを受けられているのかなと思いつつ,カルテの既往歴の欄に書き込みます。そして必ず眼底を診察して,脈絡膜転移などの有無やフリッカーなど視神経の状態を診察しますが,もし癌で他に転移があることがご自分でわかっている患者さんを前にして脈絡膜転移を発見した場合,皆さんはどのように説明されますか?
 ある日の新患,私のスリットの前に座られた入院中の31歳の女性。新患の真っ白のカルテとともに,外科からの依頼状あり。「いつも大変お世話になっております。Mamma CaにてIVH管理の患者さんですが,眼のかすみを訴えられております。IVH挿入中の真菌症などは如何でしょうか。土曜の新患で誠に申し訳ありません」とある。患者さんにお話を聞く。「授乳中にたまたましこりができて,産婦人科で“授乳のため”と説明を受けたんです。授乳が終わり,外科に行くと乳癌と診断されてすぐに手術になって,また骨に転移して治療中です」

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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