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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻2号

2002年02月発行

文献概要

臨床報告

錐体ジストロフィの長時間刺激の網膜電図によるon反応とoff反応

著者: 篠田啓1 大出尚郎1 井上理香子1 石田晋1 江下忠彦1 北村静章1 井上真1 北和典1 真島行彦1 小口芳久1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.173 - P.178

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 錐体ジストロフィと診断された2症例で,長時間刺激による網膜電図(ERG)を検索した。1例は72歳女性で,矯正視力は右0.1,左0.2で,眼底にbull's eyeの所見があった。他の1例は24歳女性で,矯正視力は右0.5,左0.3で,眼底に異常所見はなかった。両症例とも,全視野刺激ERGで,scotoplc ERGが軽度振幅低下,photopic ERGが消失ないしb波の顕著な低下があり,30Hz flickerERGが顕著に低下していた。長時間刺激によるOn-Off ERGではOffのみに応答があり,onは消失ないし顕著な低下があった。多局所網膜電位図(m-ERG)は,正常眼でon反応がより強く関与している中心10度以内で,応答密度が低下していた。2症例でのこれらの所見は,網膜内層の機能障害が存在し,特にOn-pathwayが高度に障害されていると解釈された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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