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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻3号

2002年03月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(1) 特別講演

角結膜疾患に対する最近の臨床

著者: 澤充1

所属機関: 1日本大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.229 - P.240

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 角膜疾患の臨床の基本は細隙灯顕微鏡検査による所見と臨床経過の観察である。一方で細隙灯顕微鏡検査は定性的,主観的検査であるため複雑な病態の理解,診断には限界がある。したがって,細隙灯顕微鏡検査の限界を補完するためには病理学的手法や,補助的診断法の拡充が不可欠である。今回は角結膜上皮疾患に関して,角膜上皮障害定量化システムを含む日常診療での診断,検査法を中心に述べた。また以下の項目について述べた。
 1)アレルギー疾患について,涙液中の抗原特異的IgE抗体,eosinophil cationic proteinなどの診 断意義および眼局所免疫機構に関する動物モデル,局所減感作療法の可能性。
 2)感染症ではヘルペス感染症,STD(sexually transmitted disease)でのpolymerase chain reaction 法,蛍光抗体法などの抗原検出法による診断および治療効果判定への応用。さらに角膜潰瘍や免疫輪などの病態について動物モデルでの検討。
 3)角膜外傷のうち薬物火傷での早期の結膜・羊膜移植の有用性について,臨床例および動物実験による奏効機序についての検討。
 4)角膜ジストロフィでのβig-h3遺伝子を中心にした遺伝子異常と,臨床および病理学的異常の対比と症例の検討。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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