文献詳細
特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(1)
原著
文献概要
涙嚢鼻腔吻合術(DCR)において篩骨蜂巣への穿破を避ける骨窓の形状を検討するために,涙嚢窩と節骨蜂巣の位置関係を調べた。DCRの適応となった患者100例100側(男性28名,女性72名,45〜83歳,平均70.6歳)を対象に,眼窩のCT撮影をドイツ水平面に平行に行った。内眼角の高さとその5mm下方の高さとにおいて,涙嚢窩の前後径および前涙嚢稜から篩骨蜂巣前端までの長さを,それぞれ計測した。内眼角の高さでは涙嚢窩の前後径は7.9±1.0mm,前涙嚢稜から篩骨蜂巣前端までの長さは3.3±1.7mmであり,内眼角から5mm下方の高さでの各々の値は,8.3±1.1mm,5.4±2.6mmであった。篩骨蜂巣の前端は涙嚢窩の下方ほど後涙嚢稜寄りに位置し,骨窓の形成には後方へと広げる余地がある。
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