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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻3号

2002年03月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(1) 原著

Forme fruste keratoconusに対するLASIKの結果と手術の可否

著者: 越智利行1 中山伊知郎1 中山典子1 吉田照宏2

所属機関: 1越智眼科 2キャノン販売株式会社

ページ範囲:P.271 - P.276

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(p−97) 潜在型円錐角膜(forme fruste keratoconus)27眼に,屈折矯正手術を行った。手術方法は,レーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)2眼と,レーザー角膜内皮切削形成術(LASIK)25眼である。術後3か月から2年8か月までの最終裸眼視力は,1.0以上が21眼(78%)であった。長期予後を推定するために,潜在型円錐角膜13眼と単純近視眼12眼について,LASIK後の角膜後面の前方偏位量をスリットスキャン型角膜形状解析装置で測定した結果,LASIKを行った潜在型円錐角膜13眼での角膜後面は,近視眼12眼と比較して,有意に前方に偏位していた(p=0.01)。潜在型円錐角膜群では残存角膜量が少ないほど前方偏位量が大きく,矯正量と切除量が大きいほど角膜後面が前方に偏位していた。長期予後の上から,現時点では潜在型円錐角膜へのLASIKは積極的に行うべきではないと結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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