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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻3号

2002年03月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(1) 原著

網膜芽細胞腫に対する新しい化学療法(chemoreduction)の治療成績

著者: 敷島敬悟1 金子明博2 内山浩志3 加藤陽子3 柳澤隆昭3 湯坐有希3 北原健二1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学眼科学教室 2国立がんセンター中央病院眼科 3東京慈恵会医科大学小児科学教室

ページ範囲:P.277 - P.281

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(290) 眼内網膜芽細胞腫8例12眼に対して化学療法(chemoreduction)を行った。両眼発症が7例,片眼発症が1例で,3例では片側の眼球摘出術がすでに行われていた。化学療法の開始時の年齢は2か月から2歳11か月で,Shieldsらの6コース法に準じ,vincristine,etoposide,carboplatinを投与した。眼底はReese-Ellsworth分類で評価し,治療開始時ではⅠとⅡが7眼,ⅢとⅣが2眼,Ⅴが2眼であり,硝子体出血のための評価不能1眼であった。効果判定は腫瘍の大きさとregression patternで行った。全例で腫瘍が縮小したが,多くは追加治療を必要とした。最終的に完全寛解が6眼で得られ,放射線外照射追力口が2眼,眼球摘出が3眼に行われた。Reese-Ellsworth分類Ⅴでは効果が弱く限界があったが,今回のchemoreductionは従来からの眼球保存療法の主体である放射線外照射に代わる有効な選択肢になると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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