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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻3号

2002年03月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(1) 原著

甲状腺眼症へのtriamcinolone acetonide眼窩内局所投与の効果

著者: 赤塚俊文1 西村昌之1 田淵昭雄1

所属機関: 1川崎医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.307 - P.311

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(P−166) 甲状腺眼症に対して,懸濁糖質副腎皮質ホルモン剤であるトリアムシノロン(triamcinolone ace—tonide)の眼窩内注射療法の効果を検討した。症例は13例25眼で,眼症が無治療の群,副腎皮質ステロイド薬のみの群,ステロイドパルス療法と放射線照射群に分け,それぞれにトリアムシノロンの眼窩内注射を合計4回行った。自覚症状と他覚的所見を治療開始前と終了後3か月で評価した。眼瞼腫脹はほとんどの例で改善し,痛み,複視も軽減した。他覚的所見である眼球突出,眼球運動障害,外眼筋肥厚の顕著な改善はなかった。本治療による重篤な副作用はなかった。以上,トリアムシノロン注射で劇的な改善効果はなかったが,患者の満足は得られた。本薬剤は徐放薬で持続性があるので,ステロイド緑内障について注意が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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