icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻3号

2002年03月発行

文献概要

臨床報告

偽黄斑円孔手術における内境界膜剥離

著者: 熊谷和之1 荻野誠周1 出水誠二1 渥美一成2 栗原秀行3 石郷岡均4

所属機関: 1新城眼科医院 2総合上飯田第一病院眼科 3栗原眼科病院 4京都桂病院眼科

ページ範囲:P.361 - P.367

文献購入ページに移動
 偽黄斑円孔手術における内境界膜剥離の影響を検討した。同一術者が行った偽黄斑円孔手術の99例105眼を対象とした。男性30例33眼,女性69例72眼,年齢は39〜85歳,平均66歳であった。内境界膜剥離群75眼と非剥離群30眼に分け,偽黄斑円孔消失率,術後の黄斑円孔発生率および視力成績を比較した。偽黄斑円孔消失率は内境界膜剥離群が87%,非剥離群が20%(p<0.0001),黄斑円孔発生率は内境界膜剥離群が11%,非剥離群が7%(p=0.53)であった。術後視力は2群とも有意に改善した。術後平均視力は内境界膜剥離群が0.92,非剥離群が0.84(p=0.14)であった。偽黄斑円孔手術における内境界膜剥離は偽黄斑円孔所見を改善するが,視力成績には有効ではなく,黄斑円孔の発生率を高くする。内境界膜剥離は避けるべきかもしれない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?