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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻4号

2002年04月発行

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(2)

原著

加齢黄斑変性に対する黄斑移動術

著者: 武田哲郎1 宗今日子1 大庭啓介1 津田恭央1 北岡隆1 雨宮次生1

所属機関: 1長崎大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.409 - P.413

文献概要

 過去19か月間に黄斑移動術を加齢黄斑変性25例25眼に対して行った。男性17例,女性8例で,年齢は59歳から88歳,平均74歳であった。中心窩下脈絡膜新生血管の大きさは0.5乳頭径から3乳頭径,平均1.4±1.6乳頭径であった。有水晶体眼には,超音波乳化吸引術を施行した。術後視力は,2段階以上の改善が8眼(32%),不変9眼(36%),悪化8眼(32%)であった。術前視力,術後視力,網膜循環時間の相互間には有意の相関がなかった。回旋複視10眼以外の重篤な術後合併症として,裂孔原性網膜剥離が3眼に生じ,うち1眼は増殖性硝子体網膜症になった。これら3眼には追加手術を必要とした。黄斑移動術により,3乳頭径以内の中心窩下脈絡膜新生血管に対して視力改善が期待できると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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