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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻4号

2002年04月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(2) 原著

種々の眼内レンズにおけるSRK/T式の精度

著者: 高良由紀子1 深井寛伸1 伊藤勇1 稲富誠2 小澤哲磨2 金子雅信3

所属機関: 1県西部浜松医療センター眼科 2昭和大学医学部眼科学教室 3株式会社ニコン

ページ範囲:P.437 - P.441

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 434眼に3種類のいずれかの眼内レンズを挿入し,SRK/T式による予想屈折度と実際の術後屈折度の差を検討した。246眼にはアクリル眼内レンズ,87眼にはPMMAスリーピース眼内レンズ(メニコン),101眼にはPMMAスリーピース眼内レンズ(ORC)を用いた。等価球面度数に換算した予想と実際の屈折度の差を誤差と規定した。この3群それぞれの約80%で,誤差は±1D以内にあった。アクリル眼内レンズ群では,眼軸長が22mmから24.5mmの範囲の場合には84%,24.5mmから27mmの範囲の場合には100%で誤差が±1D以内であったが,眼軸が短い眼と度数が高い眼内レンズ挿入眼では予想屈折度の精度が低下した。また,眼軸長22mm未満の30眼では角膜径が小さいと精度が低下した。以上,今回の3種の眼内レンズについてSRK/T式は有用であるが,眼軸が短い眼,角膜径が小さい眼,度数が高い眼内レンズ挿入など,SRK/T式で考慮されていない要因が存在する可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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