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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻4号

2002年04月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(2) 原著

核が硝子体中に自然落下した過熟白内障の1例

著者: 安藤百合子1 池尻充哉1 溝田淳1 宮内修1 末廣伸太郎1 安達惠美子1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院視覚病態学

ページ範囲:P.511 - P.513

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 76歳女性が1週前からの左眼痛と頭痛で受診した。10年前に白内障を指摘されたが放置していた。矯正視力は右0.9,左指数弁で,眼圧は右17mmHg,左25mmHgであった。左眼に角膜浮腫と前房に強い炎症所見があった。瞳孔領に破嚢した水晶体嚢の断端とその赤道部があり,その後下方に水晶体核と硝子体混濁があった。過熟白内障に続発した水晶体核の自然落下と診断し,手術を行った。水晶体核を前房内に移勤させ,強角膜切開創を通じて娩出し,硝子体手術で残存皮質と硝子体混濁を除去した。水晶体核の後方落下は,過熟白内障に伴う水晶体嚢とチン小帯の脆弱化がその原因であると推定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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