臨床眼科56巻4号

2002年04月発行

特集 第55回日本臨床眼科学会　講演集（2）

原著

過熟白内障手術におけるビスコート^TMの角膜内皮保護効果

著者： 水島尚子¹ 秋山満¹ 加藤明世¹ 井上克洋¹

所属機関： ¹藤沢市民病院眼科

ページ範囲：P.514 - P.516

文献概要

　過熟白内障手術でのビスコート^TMの角膜内皮保護効果を検討した。本剤は3％ヒアルロン酸ナトリウムと4％コンドロイチン硫酸ナトリウムの合剤である。同一術者により8か月間に31例31眼に手術を行った。ソフトシェルテクニックを用い，0.5％インドシアニングリーンで前嚢を染色し，con—tinuous curvilinear capsulorrhexis （CCC）を行った。全例に超音波水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入術を行った。CCC成功率は100％で，平均角膜内皮細胞数は術前2,883個／mm²，術後2,764個／mm²で，減少率は4.96％であった。術中と術後6か月の間，重篤な合併症はなかった。ビスコート^TMは，過熟白内障手術での角膜内皮保護に有用であると結論される。