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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻4号

2002年04月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(2) 原著

自傷癖のある知的障害者の白内障手術

著者: 檜垣忠尚1 上江田信彦1 鈴木康仁2 康成隆治2

所属機関: 1大阪府立身体障害者福祉センター附属病院眼科 2大阪市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.517 - P.521

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 眼自傷癖のある知的障害者5名の8眼に白内障手術を行った。年齢は17歳から50歳,平均33歳であり,精神障害者と痴呆者は含まれない。2例3眼には水晶体摘出術,3例5眼には眼内レンズ挿入術を合わせて行った。術後の視力改善に伴い,全例で眼自傷行為はなくなった。術後2か月目に網膜剥離が1例に,18か月後に角膜変性による視力障害が他の1例に起こり,眼自傷行為が再発した。患者が住んでいる施設での日常生活動作の改善度は,施設指導員の報告では,無水晶体者と眼内レンズ挿入者との間で明らかでなかった。重度知的障害者では,視力障害が眼自傷行為発現の原因である可能性があるので,速やかに視力障害を治療することが望ましい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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