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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻4号

2002年04月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(2) 原著

拒絶反応と考えられたヒト移植角膜片の電子顕微鏡的検討

著者: 久保田伸12 谷口寛恭2 金沢佑隆2 鬼塚摂子2 福田香織2 雨宮次生2

所属機関: 1国立嬉野病院眼科 2長崎大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.551 - P.555

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 70歳女性が8年前に白内障手術を受け,水庖性角膜症が発症し,3年前に全層角膜移植術を右眼に受けた。その後拒絶反応が生じ,全層角膜移植術が再び行われた。得られた移植片を透過電子顕微鏡で検索した。実質には変性した実質細胞や,アポトーシス小体を貧食するマクロファージが認められ,コラーゲン走行は不規則で空胞変性が認められた。デスメ膜下に厚い角膜後面膜が形成され,内皮細胞は変性,脱落していた。これらの所見は動物実験でみられる角膜拒絶反応と同様であり,そのなかにアポトーシス小体があることから,ヒト角膜拒絶反応にアポトーシスが関与していることが推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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