臨床眼科56巻4号

2002年04月発行

特集 第55回日本臨床眼科学会　講演集（2）

原著

糖尿病網膜症に対する硝子体手術時のステロイド

著者： 三好永利子¹ 佐藤章子¹

所属機関： ¹大館市立総合病院眼科

ページ範囲：P.559 - P.562

文献概要

　糖尿病網膜症46例69眼に硝子体手術を行い，フィブリン反応抑制を目的として術中・術後にプレドニゾロンを全身投与した。66眼に術中汎網膜眼内光凝固を行った。最終視力は0.7以上が24眼（35％），0.1以上が61眼（88％）であった。術後のフィブリン反応は15眼（22％）に起こり，視力転帰に影響を与えなかった。術前と退院時で血糖コントロール法に変化はなく，血清クレアチニン値がやや上昇したが透析導入には至らなかった。術中・術後のプレドニゾロン全身投与は術後のフィブリン反応を完全には防止しないが，短期間であるために全身状態に大きく影響しなかった。