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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻4号

2002年04月発行

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(2)

原著

多彩な眼症状を示した眼・中枢神経系悪性リンパ腫の1例

著者: 石田為久1 雑賀司珠也1 岡田由香1 大西克尚1 中井敦子2

所属機関: 1和歌山県立医科大学眼科学教室 2なかい眼科

ページ範囲:P.563 - P.566

文献概要

 67歳女性が3週前からの左眼視力低下で受診した。頭蓋内悪性リンパ腫の既往があり,6か月前に全脳の放射線照射を受けた。矯正視力は右1.0,左光覚弁で,左眼には硝子体混濁網膜中心静脈閉塞症様の出血,超音波検査で網膜剥離があった。眼科初診の2週間後に小脳に悪性リンパ腫の再発が発見されたが,眼内や視神経に腫瘍の浸潤はなかった。手術で得られた硝子体の細胞診で非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin lymphoma)と診断された。総量44Gyの放射線照射で病巣は鎮静化し,以後14か月間,光覚弁のまま左眼は安定している。多彩な眼内病変を呈した眼・中枢神経悪性リンパ腫の1例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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