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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻4号

2002年04月発行

文献概要

臨床報告

閉塞隅角緑内障に対する超音波乳化吸引,眼内レンズ挿入術の成績

著者: 戸栗一郎1 松浦敏恵1 久保田敏昭1 鬼塚尚子1

所属機関: 1国立病院長崎医療センター眼科

ページ範囲:P.608 - P.612

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 すでに瞳孔ブロックが解除した閉塞隅角緑内障に対して,白内障または眼圧コントロールを目的として,超音波乳化吸引術と眼内レンズ挿入を行った。一部には隅角癒着解離術を併用した。対象は16例19眼で,術前にレーザー虹彩切開術が18眼,周辺虹彩切除術が1眼に行われていた。術後3か月から36か月,平均7.1±12.9か月,経過を観察した。眼内レンズは全例で嚢内に挿入できた。術前眼圧は7〜38mmHg (16.7±8.1mmHg),術後3か月の眼圧は7〜19mmHg (13.8±3.4mmHg)であり,全例で20mmHg以下であった。視力は18眼(95%)で2段階以上に改善し,悪化例はなかった。角膜内皮細胞数は,術前2,420±508/mm2,術後1,942±652/mm2で,減少率は18.4±17.9%であった。以上のことから,瞳孔ブロック解除後の閉塞隅角緑内障と白内障に対して,超音波乳化吸引術と眼内レンズ挿入術が有効であったと結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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