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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻4号

2002年04月発行

臨床報告

真性小眼球に伴うuveal effusionに対するマイトマイシンC併用強膜開窓術

著者: 細田ひろみ1 野田徹1

所属機関: 1国立病院東京医療センター眼科

ページ範囲:P.613 - P.616

文献概要

 38歳女性が,両眼の視力低下で受診した。8か月前に両眼の真性小眼球に伴うuveal effusionと診断され,左側に強膜開窓術が3回行われたが,脈絡膜剥離は消退しなかった。当科初診時の矯正視力は右0.07,左0.3で,右+18D,左+16Dの遠視があり,眼軸長は左右とも15mmであった。両眼に脈絡膜剥離を伴う胞状の網膜剥離があった。右眼に8か所の強膜開窓術を行い,網膜剥離は消失したが,1年後にuveal effusionが再発した。各象限に一辺4mmの正方形の強膜切除を行い,0.04%マイトマイシンCを3分間塗布し,中心部に径1mmの強膜開窓を作った。4か月後に脈絡膜剥離は消退した,左眼にも同様の手術を行い,3週後に脈絡膜剥離は消退した。右眼は術後41か月間,左眼は33か月間再発がなく,右0.5,左0.4の矯正視力を維持している。真性小眼球に伴うuveal effusionに対して,マイトマイシンC併用の強膜開窓術が有効であった症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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