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連載 眼の遺伝病・33
ミトコンドリア遺伝子異常(1)
著者: 高橋佳奈1 竹下孝之1 和田裕子1 玉井信1
所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.669 - P.671
文献購入ページに移動Leber遺伝性視神経症(Leber hereditary opticneuropathy:レーベル病)は,通常,若い男性に生じる両眼性視神経症で,急性期に特徴的な視神経乳頭所見を示し,最終的には両眼性視神経萎縮を呈して,永続的な視力低下をきたすことの多い疾患である。1988年に本症にミトコンドリア遺伝子の変異が認められることが報告され1),現在までにprimary mutationとして,いずれも複合体INADH脱水素酵素サブユニットの遺伝子内に存在する3460,11778,14484番塩基対の変異が報告されている2,3)。
日本人においては,なかでも最も予後不良である11778変異が90%を占めるといわれている。今回は11778変異を伴ったレーベル視神経症の1例を報告する。
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