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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻5号

2002年05月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(3) 原著

光干渉断層計で観察したピット黄斑症候群

著者: 森敏郎1 加藤千晶1 滕岩1 桑島利子1 朝倉章子1

所属機関: 1岩手県立中央病院眼科

ページ範囲:P.689 - P.692

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 21歳女性が2週間前からの左眼変視症で受診した。矯正視力は右1.2,左1.0であった。左眼視神経乳頭内の下耳側寄りに乳頭小窩(ピット)があり,これから黄斑にかけて剥離があった。剥離部の光干渉断層計(Optical coherence tomography:OCT)で網膜外層の分離と浮腫があり,硝子体腔と網膜下腔の直接の交通はなかった。乳頭に接する剥離部に網膜光凝固を2回行ったが剥離は改善せず,視力は0.2に低下した。硝子体手術とガスタンポナーデも無効であり,意図的に網膜裂孔を作成して網膜下液を吸引し,眼内光凝固とガスタンポナーデを行ったのち網膜剥離は軽快した。最終手術2か月後のOCTで網膜分離と黄斑剥離がなお残存していた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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