文献詳細
特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(3)
原著
文献概要
硝子体を切除せずに膜剥離術を行った特発性黄斑上膜34例34眼の長期経過を検索した。年齢は50歳から75歳1平均63歳であった。術後観察期間は1年以上とした。術前と比較して,術後1年と2年で核白内障進行による近視化があった。対側眼との比較で、高度に近視化した1眼の影響で術1年後に屈折度に有意差があったが,術2年後には術眼と対側眼に有意な屈折度の差はなかった(p=0.26)。黄斑上膜の再発が13眼(38%)にあり,硝子体切除を併用する膜剥離術で筆者らが報告した19%よりも有意に高率であった(p=0.03)。以上,硝子体を切除しない膜剥離術では近視化が生じるが,その程度は小さいと結論される。
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