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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻5号

2002年05月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(3) 原著

黄斑円孔手術後の長期視力経過

著者: 中村宗平1 熊谷和之1 古川真里子1 渥美一成1 荻野誠周1

所属機関: 1総合上飯田第一病院眼科

ページ範囲:P.765 - P.769

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 特発性黄斑円孔58例59眼に手術を行い,2年以上の視力経過を検索した。症例は術前・術後の併発症がなく,初回手術で円孔閉鎖が得られたものとした。有水晶体眼には水晶体乳化吸引と眼内レンズ挿入を行った。硝子体ゲル切除後に後部硝子体剥離がなければ作製し,黄斑上膜があれば除去した。内境界膜剥離や網膜色素上皮掻爬は行わなかった。相乗平均視力は,術前0.28,術後1年0.66,最終観察時0.79であり,手術により有意に改善した(p<0.001),術後1年と最終観察時の視力は,47眼(80%)で改善または不変であり,12眼(20%)で低下した。これら2群間で,術前視力,年齢,円孔径,推定発症期間,屈折についての有意差はなかった。最終経過時の視力に関係する因子は術前視力と年齢であった。黄斑円孔では,術後2年以上にわたって視力が改善・維持される可能性が高い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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