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特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(3)
原著
文献概要
推定発症から3か月以内の網膜中心静脈閉塞症24眼で,網膜断層像と視力転帰の関係を調べた。全例に光干渉断層計とフルオレセイン蛍光眼底造影を行った。急性期の視力は0.03から1.2,対数平均0.25で,最終視力は手動弁から1.2,平均0.15であり,両者間に有意な相関はなかった(p=0.053)。黄斑浮腫は,網膜の膨化(100%),嚢胞様変化(92%),漿液性網膜剥離(58%)などから構成されていた。急性期の中心窩厚は410〜1.200μm,平均780μmであり,これと最終視力には中等度の負の相関があった(r=−0.64,p<0.01)。急性期の中心窩厚は,網膜中心静脈閉塞症の視力転帰の指標となり得る。
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