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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻5号

2002年05月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(3) 原著

レーザー治療前後で屈折変化を示した外傷性虹彩嚢腫の1例

著者: 元木竜一1 武田憲夫1 八代成子1 上原淳太郎1 北里久美2

所属機関: 1国立国際医療センター眼科 2東京女子医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.823 - P.825

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 51歳男性が左眼の充血と霧視で受診した。40年前にガラス片が左眼に飛入した既往がある。左眼瞳孔の上耳側に前房の1/4を占める虹彩嚢腫があり,嚢腫は角膜内皮に接触していた。後嚢下白内障があり,水晶体は嚢腫に圧迫され後方に偏位していた。過去の外傷に起因する外傷性虹彩嚢腫と診断した。鈍痛と霧視が増強したため,マルチカラーレーザーで嚢腫を穿孔し,嚢腫の縮小,鈍痛の消失,霧視の改善が得られた。レーザー治療前に−4.75Dあった乱視は,冶療3日後に-7.25D,5か月後に-2.0Dになった。等価球面度数は治療前−3.625D,3日後−6.325D,5か月後に−5.0Dになった。レーザー治療後に屈折が変化したのは,嚢腫の縮小に伴って水晶体が前方に移動し,その後,緩慢に元に戻ったためと推定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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