icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻5号

2002年05月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(3) 原著

格子状変性への予防的光凝固が無効であった症例の検討

著者: 板倉宏高1 大谷倫裕1 岸章治1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.847 - P.851

文献購入ページに移動
 格子状変性への予防的光凝固後に,裂孔原性網膜剥離が発症した9例9眼を過去3年間に経験した。男性6例,女性3例で,年齢は18歳から72歳,平均45±18歳である。5例では網膜剥離の他眼の格子状変性に対して,その他の4例ではたまたま発見された格子状変性に対して予防的光凝固が行われていた。光凝固から網膜剥離が発症するまでの期間は2年5か月から19年,平均7.5±5.2年であった。網膜剥離の原因には2つのパターンがあった。5眼は弁状裂孔で,全例に後部硝子体剥離があった。4眼は萎縮円孔,3眼には後部硝子体剥離がなかった。以上の症例は,予防的光凝固が必ずしも奏効しないことを示している。奏効しなかったのは,おそらく全例で後部硝子体剥離が末発の時期に光凝固が行われたためと推定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら