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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻5号

2002年05月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(3) 原著

ジクロフェナクナトリウム点眼が原因と考えられた角膜潰瘍の2例

著者: 氏岡晶子1 松本光希2 宮嶋聖也1 谷原秀信1

所属機関: 1熊本大学医学部眼科学教室 2熊本市民病院眼科

ページ範囲:P.852 - P.856

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 抗炎症薬ジクロフェナクナトリウムを点眼中の2例2眼に角膜潰瘍が生じた。1例は76歳女性で,右眼に白内障術前の処置として本剤の点眼が1日4回行われ,点眼開始から5日後に角膜中央のやや下方に深い潰瘍が生じた。涙液分泌減少を思わせる所見が同時にあった。その後,角膜が穿孔し,深層角膜移植が行われた。他の1例はアトピー性皮膚炎,気管支喘息,精神発達遅延がある23歳男性で,右眼網膜剥離のためにシリコーンオイルによる硝子体置換術を受け,シリコーンオイル除去手術後に本剤,オフロキサシン,ベタメタゾンをそれぞれ1日4回点限していた。点眼開始から18日後に内下方の角膜に潰瘍が生じた。本剤の点眼を中止し,抗菌薬と副腎皮質ステロイド薬の点眼で上皮再生が得られた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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