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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻5号

2002年05月発行

文献概要

臨床報告

ぶどう膜炎を伴った眼窩偽リンパ腫の1例

著者: 浜野浩司1 坂本貴子1 高木武司2

所属機関: 1秋田大学医学部眼科学教室 2ゆざわ眼科医院

ページ範囲:P.887 - P.890

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 45歳女性が左眼の下眼瞼腫脹,結膜充血,眼球運動に伴う違和感で受診した。矯正視力は右1.2,左0.6で,左眼に眼球突出,球結膜充血,外転と下転障害があった。中間透光体と眼底には異常がなかった。画像診断で左眼外眼筋の下方に浸潤性の腫瘍があった。眼窩腫瘍亜全摘出術を行い,病理組織学的には偽リンパ腫(reactive lymphoid hyperplasia)であった。角膜後面沈着物を伴う前部ぶどう膜炎が手術の8日後に左眼,1か月後に右眼に生じた。眼窩腫瘍は4回再発したが,プレドニゾロンの全身投与で腫瘍は縮小し,眼球突出は消失し,眼位と眼球運動は正常化した。約2年後に前部ぶどう膜炎が消失し,最終視力は左右眼とも1.0であった。悪性腫瘍の眼外転移の所見はなかった。二原的にぶどう膜炎が発症したと推定する所見はなく,眼窩偽リンパ腫が前部ぶどう膜に浸潤したものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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