文献詳細
臨床報告
文献概要
74歳女性が5日前から右眼の下方視野障害で受診した。矯正視力は,右指数弁,左0.4であった。右眼に相対的求心路瞳孔反応障害があった。両眼とも視神経乳頭に異常はなかった。磁気共鳴画像法(MRI)で,右眼に球後視神経炎に相当する所見と,empty sellaがあった。3週後に左眼に視神経炎が発症し,副腎皮質ステロイドのパルス療法を開始したが,十分な視力改善は得られなかった。視機能障害にempty sellaが関与している可能性があることが推定された。矢状断のMRIが本症例でのemptysellaの診断に有用であった。
掲載誌情報