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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻5号

2002年05月発行

文献概要

臨床報告

眼トキソカラ症に対する治療法の検討

著者: 浦野哲1 田口千香子1 棚成都子1 吉村浩一1 疋田直文1 山川良治1 赤尾信明2 望月學3

所属機関: 1久留米大学医学部眼科学教室 2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科国際環境寄生虫学教室 3東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科視覚応答調節学教室

ページ範囲:P.908 - P.913

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 過去11年間に加療した眼トキソカラ症16例を検討した。男性11例,女性5例であり,すべて片眼性であった。年齢は9歳から73歳,平均38歳であり,12例が20歳以上であった。病型はwilk—insonらの3型に加え,異なる病型が同時にある混合型の4型に分類した。内訳は,周辺部型10例,後極部型2例,眼内炎型2例,混合型2例であった。病変がすでに固定している2例を除く14例に全身的に薬物を投与し,7例で病巣が沈静化した。再燃した7例中4例に網膜冷凍凝固を行い,3例が再燃した。硝子体手術は6例(再燃4例,増殖硝子体網膜症1例、硝子体出血1例)に行い,病巣が除去できた3例では以後再燃がなかった。最終視力は改善6例,不変7例,悪化1例であった。保存的治療後に再燃した例には硝子体手術が有効であるが,抗原が存在する病巣を除去する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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