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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻6号

2002年06月発行

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(4)

原著

硝子体手術後の糖尿病血管新生緑内障による失明例の検討

著者: 大木隆太郎1 栃谷百合子1 田北博保1 野寄忍1 米谷新1

所属機関: 1埼玉医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.973 - P.977

文献概要

 増殖糖尿病網膜症に対して硝子体手術が行われ,術後に新生血管緑内障で失明した症例の全身的ならびに眼内の諸因子を検索した。対象は過去6年間に初回硝子体手術を受け,網膜剥離がなく,新生血管緑内障で失明した10例11眼である。同期間に硝子体手術を受け,新生血管緑内障が発症しなかった増殖糖尿病網膜症60例70眼を無作為に抽出し,対照とした。平均年齢は,失明群42.5±14.2歳,対照群55.4±11.7歳であった。失明群の全身的因子として,若年者,血糖コントロール不良,腎機能低下,低アルブミン血症が有意に多く,眼内因子として,滲出型網膜症,光凝固治療無効,シリコーンオイル併用が有意に多かった。失明群の各症例は,これらの因子を4項目以上有していた。これらの因子を多数有する症例については,硝子体手術の時期と方法についての慎重な検討が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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