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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻6号

2002年06月発行

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(4)

原著

眼窩下壁骨折整復術後光覚喪失症例に対し星状神経節ブロックが有効であった1例

著者: 東浦功1 廣瀬浩士1 久保田敏信1 松浦正司2 松浦雅子2 安藤文隆3

所属機関: 1国立名古屋病院眼科 2松浦眼科 3アイケア名古屋

ページ範囲:P.978 - P.982

文献概要

 24歳男性がボクシング中に右眼を打撲され複視が生じた。視力は1.5だったという。眼窩下壁骨折と診断され,受傷3週間後に上顎洞経由での骨折整復術を受けた。その翌日に光覚を失い,ただちに受診した。右眼には,マーカス・ガン瞳孔以外には,前眼部,眼底,眼窩などに異常はなかった。耳鼻科で骨片プレートを除去し,眼窩内圧減圧術が行われた。ステロイドパルス療法,血管拡張薬点滴,星状神経節ブロックでは視機能が改善しなかった。初診7日目から1日2回の星状神経節ブロックを開始し,2日後に光覚弁となった。ステロイドパルス療法を併用し,初診17日目に視力は1.0に回復した。以後6か月間経過は順調である。重篤な視神経障害に対して星状神経節ブロックが奏効したと考えられる症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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