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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻6号

2002年06月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(4) 原著

内境界膜剥離術導入後の黄斑円孔再発率

著者: 吉田三紀1 大坪朗子1 岸章治1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.999 - P.1003

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 黄斑円孔への硝子体手術で,内境界膜を剥離した123眼と剥離しない160眼について,再発率とその原因を検索した。剥離する手技は2001年までの3年間,剥離しない手技は1996年までの4年間に用いた。術後の観察期間は,剥離群が6〜29か月で平均17か月,非剥離群が8〜42か月で平均25か月であった。円孔の閉鎖率は,非剥離群が初回69%,最終91%であり,剥離群が初回95%,最終100%であった。円孔の再発率は非剥離群で5%,剥離群で0%であった。非剥離群での再発原因は,術後に生じた黄斑前膜であった。内境界膜を剥離することで,これによる円孔縁への張力が解除されて閉鎖率が向上する一方,黄斑前膜の形成が起こりにくいので再発が防止されると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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