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特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(4)
原著
文献概要
黄斑円孔への硝子体手術で,内境界膜を剥離した123眼と剥離しない160眼について,再発率とその原因を検索した。剥離する手技は2001年までの3年間,剥離しない手技は1996年までの4年間に用いた。術後の観察期間は,剥離群が6〜29か月で平均17か月,非剥離群が8〜42か月で平均25か月であった。円孔の閉鎖率は,非剥離群が初回69%,最終91%であり,剥離群が初回95%,最終100%であった。円孔の再発率は非剥離群で5%,剥離群で0%であった。非剥離群での再発原因は,術後に生じた黄斑前膜であった。内境界膜を剥離することで,これによる円孔縁への張力が解除されて閉鎖率が向上する一方,黄斑前膜の形成が起こりにくいので再発が防止されると考えられる。
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