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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻6号

2002年06月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(4) 原著

半導体レーザー星状神経節照射の眼循環・眼機能に及ぼす影響

著者: 今井大介1 村山耕一郎1 伊藤真美1 森茂1 山並晃子1 菅野順二1 米谷新1

所属機関: 1埼玉医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1011 - P.1014

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 星状神経節に半導体レーザー照射を行い,正常人網膜の循環と電気生理に及ぼす影響を検索した。対象は健常者12名で,年齢は平均27.6歳である。12名に両側の,そして別の時点で6名に片側の星状神経節にレーザーを照射した。レーザーは,波長810nmで出力1,000mWとし,一側に5分照射した。Heidelberg retina flowmeterを用いて,照射前,30分後,60分後に網膜循環量を測定した。多局所網膜電図(mERG)による検査を同様に照射前後で行った。網膜の血流量と流速は,片側照射では不変,両側照射では60分後に有意に増加した(p<0.05)。mERGの最初の陽性波と陰性波の振幅が60分後に有意に増加した(p<0.05)。両側星状神経節へのレーザー照射で綱膜循環と機能が向上することを示す所見であり,適切な条件を設定することで眼科での治療に応用できる可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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