icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻6号

2002年06月発行

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(4)

原著

両眼性結膜MALTリンパ腫の1例

著者: 竹林宏1 佐久間俊郎1 田中稔1 野口雅章2 石和久3 鈴木不二彦3

所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院眼科 2順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院血液内科 3順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院検査科

ページ範囲:P.1073 - P.1076

文献概要

 32歳男性が左眼窩の炎性偽腫瘍の疑いで当科紹介され受診した。左眼の球結膜と下眼瞼結膜にサーモンピンク色の腫瘤があった。生検で結膜固有層に濾胞形成と異形性に乏しい均一な小リンパ球の密な増殖があり,びまん性悪性リンパ腫と診断した。腫瘍細胞は,κ染色陽性,λ染色陰性,L−26染色陽性,UCHL−1染色陰性であった。フローサイトメトリーでCDI9,CD20,κ鎖で陽性率が高く,CD5,CD10,CD23の陽性率が低かった。遺伝子解析で,重鎖遺伝子(JHプローブ)の再構成があり,これらの所見からMALT (mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫と診断した。4か月後に右下眼瞼の結膜に同様の小病変が出現した。電子線による総量右眼30Gy,左眼38Gyの照射を行った。病変は消失し,以後1年間再発はない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら