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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻6号

2002年06月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(4) 原著

眼窩腫瘍手術後長期を経て発生した多形腺腫の1例

著者: 上原淳太郎1 溝田淳2 武田憲夫1 宮内修2 麻薙薫2 安達惠美子2

所属機関: 1国立国際医療センター眼科 2千葉大学大学院医学研究院視覚病態学

ページ範囲:P.1082 - P.1084

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 73歳男性が右眼窩内軟骨肉腫に対して眼球摘出,腫瘍摘出と放射線照射を35年前に受けた。以後装用中の義眼が落ちやすくなり,腫瘍雨発の疑いで紹介され受診した。細胞診でクラスVの軟骨器質が眼窩内にあった。コンピュータ断層撮影(CT)で,右眼窩内に腫瘍の浸澗による骨破壊像と,多数の点状の高信号部を含む中等度のコントラストの部位があった。磁気共鳴画像(MRI)で,同部位はT1強調画像で低信号,T2強調画像で低信号と高信号が混在し,Gd-DPTAを使った造影MRIでほぼ全体が増強していた。これらの所見は軟骨肉腫の再発を否定するものではなかった。腫瘍切除術を行い,病理学的に良性の多形腺腫と診断された。以後28か月再発はない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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