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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻6号

2002年06月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(4) 原著

急激な視力低下をきたした貧血による眼窩内血腫の1例

著者: 平野佳男1 松永紀子1 玉井一司1 小椋祐一郎1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1089 - P.1093

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 79歳女性に右眼の眼球突出と視力低下が突発し,ただちに受診した。右眼の矯正視力は0.01で,眼球運勤が全方向で制限されていた。貧血性網膜症を伴う重篤な鉄欠乏性貧血があった。画像診断で視神経を圧迫する眼窩内血腫があった。詳細な既往歴聴取で,発症1週間前に右前額部に軽い打撲があったことが判明した。血腫は2週間後に自然退縮し,矯正視力は0.8に回復した。本症例の診断と経過観察に,磁気共鳴画像検査(MRI)が有用であった。出血性素因がある場合には,本人が忘れている程度の小さな外傷を契機として眼窩内血腫が記こる可能性示す例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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