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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻6号

2002年06月発行

文献概要

特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(4) 原著

透析患者に対する白内障手術の検討

著者: 新矢誠人1 望月英毅1 川西秀樹1 桂真理2 田村博巳2 松山茂生3 向井聖3 皆本敦3

所属機関: 1土谷総合病院眼科 2広島記念病院眼科 3広島大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1099 - P.1102

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 腎透析下に白内障手術を施行した症例を対象に視力予後および術後合併症に関係する因子を検討した。対象は,1998年4月から2001年1月までに当科にて手術を施行した54例75眼で,糖尿病群(21例33眼)と非糖尿病群(33例42眼)の比較では,術前・術後視力とも有意に糖尿病群のほうが悪かった。眼合併症は嚢胞状黄斑浮腫(CME)が2眼,網膜静脈分枝閉塞症が1眼ですべて糖尿病群であった。またCMEの2眼では,黄斑浮腫発生時のHt値は術前に比べ平均6.4低下していた。以上の結果から,視力予後の因子として糖尿病が考えられ,CMEの発生には貧血が関与している可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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