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特集 第55回日本臨床眼科学会 講演集(4)
原著
文献概要
典型的網膜色素変性症28例に高圧酸素療法を行った。年齢は29歳から82歳,平均57歳である。2気圧,100%純酸素が充満したカプセル内で1時間吸引を20日間継続して行い,1年から10年,平均5,1±3.1年の術後経過を観察した。対数視力は,治療前−0.99±0.87であり,1年後0.6±0.76(p<0.00001),最終観察時−0.11±1.1(p=0.32)であった。限界フリッカー値は,治療前23.6±13であり,治療直後35.4±8.5(p<0.00001),最終観察時22.9±12(p=0.76)であった。自覚症状は,直後に79%,最終観察時に21%で改善した。高圧酸素療法は長期的には無効であることを示す所見である。
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