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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻6号

2002年06月発行

文献概要

臨床報告

Empty sellaを伴い診断に苦慮した偽脳腫瘍の1例

著者: 岩崎美和子1 寺井実知子1 山田英里1 山田晴彦1 松永裕史1 松井淑江2 松村美代1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室 2京都桂病院眼科

ページ範囲:P.1151 - P.1155

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 49歳女性が,両眼の眼痛と右眼視力障害で受診した。初診時の矯正視力は右0.9,左1.0で,眼底に異常所見はなかった。半年後に両眼とも視力が0.5に低下し,上方視野に感度低下が生じた。磁気共鴫画像検査(MRI)でempty sellaがあり,ほかに異常はなかった。乳頭浮腫はなかったが,身長150cm,体重94kgの高度肥満があり,偽脳腫瘍が疑われた。髄液圧は220mmH2Oとやや高値であった。頭蓋内圧低下のため炭酸脱水酵素阻害薬を投与した。自覚症状は著明に改善し,3か月後には視力,視野ともに回復した。乳頭浮腫がなくても,高度肥満者にはempty sellaを伴った偽脳腫瘍が生じうることを示す1例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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