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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻6号

2002年06月発行

臨床報告

実験用Nd:YAGレーザー誤照射による黄斑外傷のoptical coherence tomography像

著者: 脇谷佳克1 杉本昌彦1 松原央1 泉奈々1 伊藤邦生1 佐宗幹夫1 宇治幸隆1

所属機関: 1三重大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1157 - P.1161

文献概要

 25歳男性がヤグレーザー(Nd:YAG laser)による黄斑外傷で受診した。患者は工学部大学院生で,実験中にプリズムによるレーザーの反射光が左眼に飛入し,その直後から視力低下と中心暗点を自覚した。レーザーは,波長1,064nm,出力80mJ/pulse,パルス幅10nsであった。左眼は-6.0Dの近視で、受傷当日の矯正視力は0.3であった。受傷眼に軽度の硝子体出血と黄斑浮腫があった。副腎皮質ステロイド薬を経口投与し,矯正視力は1週後0.6,2週後0.9、9か月後1.5に回復した。受傷9か月後に光干渉断層検査(OCT)を行い,中心小窩のやや上方に明瞭な縁のある網膜色素上皮欠損と,中心窩周囲に網膜前膜が観察された。工業用のヤグレーザーによる眼誤照射が危険であり,安全対策が必要であることを示す症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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