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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻7号

2002年07月発行

文献概要

特集 角膜屈折矯正手術を手がける前に

【LASIK術中合併症—私の対応策】術中出血

著者: 真野富也1

所属機関: 1多根記念眼科病院

ページ範囲:P.1216 - P.1216

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 幸いこれまでLASIKの術中に大きな合併症はないのですが,強いてあげるとすれば,術中の出血です。症例は角膜径がやや小さい症例で(約11mm),角膜曲率が46Dと大きく,球状角膜に近いような例でしたが,イノバトームでflapを作製したところほとんど輪部ぎりぎりでflap全周が切れ,全周から出血が生じました。過去の報告でflapをめくってから止血に時間をかけすぎると角膜ベッドが乾燥して薄くなり,その後レーザー照射をして穿孔してしまったというものがありましたから,あまり出血は気にせず,とにかく早くレーザーを照射することで無事に手術は終了しました。Nasal hingeですと上方の血管から出血することをしばしば経験しますが,flapを正しい位置に戻すと不思議と出血はすみやかに止まります。逆にflapが少しでもずれていると,なかなか止まらないものです。マーキングをしっかりしておき,flapの位置ずれを防止することが出血対策にもなると思います。その他,ボスミンなどを使用する先生もおられます。ただし,日本にはまだない点眼薬ですが,α2—stimulant製剤の点眼を使用してflapのズレが生じたという例がかなり報告されていますので注意が必要です。おそらく内皮機能に影響するためではないかといわれています。
 もう1つの問題点として,マイクロケラトームの刃の問題があると思います。刃の質が悪いとメタルdebrisがたくさん出ます。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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