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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻7号

2002年07月発行

文献概要

臨床報告

全層角膜移植術後の緑内障に対する半導体レーザー経強膜毛様体光凝固術の効果

著者: 下村直樹1 天野史郎2 大鹿哲郎2 粕谷貴生3 原岳4

所属機関: 1同愛記念病院眼科 2東京大学医学部眼科学教室 3癌研究会附属病院眼科 4大宮赤十字病院眼科

ページ範囲:P.1267 - P.1270

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 全層角膜移植後の緑内障20眼に対して半導体レーザーによる経強膜毛様体光凝固術を行った。いずれも抗緑内障薬で眼圧コントロールが得られなかった例である。レーザーは主波長800nm,照射時間2秒,出力500〜2,000mW,照射数10〜40発とした。術後15〜265週,平均103週の経過観察で,術前の平均眼圧39mmHgが23mmHgに低下した。20眼中19眼で眼圧が低下した。13眼(65%)では点眼のみで眼圧が21mmHg以下になり,うち7眼では1回の光)凝固で好結果が得られた。合併症として,光覚弁喪失が末期緑内障2眼,硝子体出血が1眼にあった。移植角膜は術前に14眼で透明であったが,6眼で術後に不透明化した。以上のように,半導体レーザー経強膜毛体凝固術は全層角膜移植後の緑内障に比較的安全で有効であったと評価される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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